はじめに

2021年も年末を迎えましたね。今年も本当にお疲れ様でした。 今年は京都にある実家で年を越すことになりましたので、早めの投稿となります。

なんだかんだ外部へのアウトプットを習慣化しきれていない私ですが、せめてものこの年1回の機会はしっかりと書いて2021年を締め括れればと思います。

2021年の振り返り

まず、2020年振り返りと2021年の展望で記載していた、2021年に意識していきたいと挙げていた項目は以下になります。

  1. インプットだけに止まらず、しっかりと自分自身のスキルを向上させ外部に対しても自信を持ってアウトプットしていく(このブログもその一環ではありますが)
  2. 自分自身のマネージメントスキルを磨きながらメンバーに任せられる業務領域をどんどん拡大し、腰を据えて改革を進めていける組織づくりを行う
  3. 働き方の変化、子供の成長を見据えた住まい環境を再構築する(引っ越しするかも)
  4. 複数のコミュニティに対する貢献

最初に軽く書いてしまうと、しっかりとやりきれた!という項目は一つもないという不甲斐ない結果になっている気がしますが、それぞれ少しずつ進捗はあると思っていますので、その辺りも触れながら振り返れればと思います。

仕事について

2021年を振り返ると、大きくやったことは以下のあたりでしょうか。

  1. 完全リモートワーク体制に移行するための大幅な就業規則改定
  2. 給与計算内製化
  3. BCP策定
  4. 規程更新管理プラットフォームの移行
  5. オフィス移転
  6. ISMS認証取得
  7. 労働安全衛生に関する運用の強化
  8. その他、様々な社内システム導入推進(ラクロー, YESOD, Carely, リモートHQ)

こう並べてみると組織が急拡大を続ける1年(従業員数ベースで1.4倍ぐらい)の中で、従来個別対応でなんとかなっていた人事労務領域に対する仕組み化・効率化が強く求められた1年になったのかなという感じでしょうか。

実際、コーポレートエンジニアというか労務・総務寄りの仕事ばっかりやってますね・・・w (随所で運用を効率化するという面でコーポレートエンジニアとしてのスキルを活かしてはいますが)

それぞれ簡単に触れていければと思います。

1. 完全リモートワーク体制に移行するための大幅な就業規則改定

2020/2以降のコロナによる働き方の変化を、就業規則上「緊急事態という位置付けで一時的に出社義務を解除」としていたところから、「通常の働き方としてリモートワークを認める」形に大きく改定したものになります。

コアタイムの廃止(スーパーフレックス化)や働く場所への自宅追加、更にはリモートワーク手当や通勤費の考え方の見直しといったものをまとめて整理した大きな改定になります。後述するオフィス移転によって全従業員が出社するとオフィスに入らない状況になることも含めて、会社としての大きな意思決定となったと思っています。

READYFORのリモートワークに関する様々な取り組みはこちらの記事でもいくつか発信させて頂いておりますので、興味があればご覧ください。

2. 給与計算内製化

従来から社労士事務所に完全に頼りきりになっていた給与計算に関して、以下の面から内製化対応を進めたものになります。

  1. 社内における給与計算結果のチェック体制強化
  2. 月次決算早期化への対応
  3. 社内担当者の知識強化

そもそも給与計算なので、内製化というか完全にシステム化し切りたかったところではありますが、思いのほか給与計算サービスの柔軟性が低かったこともあり、スプレッドシートでの業務が残ってしまったことが残念ではありました。

盤石なチェック体制を構築する必要性から社労士事務所にも引き続きお願いさせて頂いていますが、給与計算に与える要素を社内担当者が明確に理解するという効果だけでも非常に有意義な取り組みだったと思っています。

3. BCP策定

2021年2月13日に福島県沖で発生した地震をトリガーに社内のBCP体制の弱さが露呈したこともあり、急遽策定することになったものです。内閣府から出ているガイドラインや他社事例などを参考に策定させて頂きましたが、READYFORは災害支援に関するクラウドファンディングにも積極的に支援させて頂いているので、決して軽視できない領域だと考えております。

4. 規程更新管理プラットフォームの移行

こちらの記事に詳細を書かせて頂いたのでここでは割愛させて頂きますが、導入後既に規程改定が何度も行われており、今までGitHubを全く触ってなかった関係者のGitHubリテラシーが上がっていることは非常に嬉しいことだと思っています。

5. オフィス移転

今のオフィスに移転するということ自体は、前述した就業規則の改定前に経営合意されていましたが、そこから先の移転に関わる実作業を対応したものになります。

以前在籍していたメドレーでも移転に伴う社内LANの設計・構築だけ対応しましたが、今回は総務・労務・ITに関する実務を丸っと請け負った形になりました。(オフィス面積を縮小する方向性&居抜きでの移転ではあったので移転の中では楽な部類に入りますが) 幸いにも歩いて10分程度の距離、同一ビル管理会社での移転という形だったので、従業員の通勤経路の見直しやビルの入館に必要なセキュリティカードの再発行を回避することができたことは救いでした。

前述した就業規則の改定と合わせてオフィス面積を縮小し、全従業員が座れないオフィスに移転したことで、会社として働き方を大きく再定義したことになります。 確かに従来のオフィスワークと比較するとリモートワークはコミュニケーションの面で難しい部分が出てきている感は否めませんが、もはや採用市場なども踏まえると不可逆的な動きになると考えております。オフィスとリモートのハイブリッドワークなど、様々な形での働き方を引き続き模索していくことにはなると思いますが、この業界において全従業員が座って仕事することを前提にしたオフィス設計は終焉を迎えたのではないかと思います。

6. ISMS認証取得

唯一のITらしい実績かもしれません。2020年9月頃から動き出していたISMSの要求事項に基づく情報セキュリティ体制構築が完了し、正式審査を経て2021年9月に正式な認証取得に至ったものになります。

元々ISMSの要求事項に基づく体制を整備することと、正式にISO27001認証取得に動くことは別で考えておりましたが、従来個人利用がメインだったクラウドファンディングが様々な団体に活用が広がってきていることや、基金運営や遺贈寄附といった新たな取り組みを進めていく中で、早い段階で正式な認証取得を意思決定する流れとなりました。

ISMSに基づく組織体制を構築していく上では、まだリリースしてそんなに経っていない SecureNavi というサービスの力も借りて、効率良く社内体制の構築を進めることができたと思っております。このサービスがあったおかげで非常に楽に構築できたと考えていますし、今後のサービス発展にも期待しています!

7. 労働安全衛生に関する運用の強化

まず組織体制として、産業医や従業員代表、更には事業部人事を含めた大幅な体制変更がありました。 従来、しっかりと運営できていなかった衛生委員会も位置づけと参加メンバーを改めて整理し、再始動した形になりました。

それと同時に健康管理サービスであるCarely を導入し、労働安全衛生に関する業務の効率化や可視化、そしてリモートワーク体制で重要度が増している従業員自身によるセルフケアの強化を図っています。

8. その他、様々な社内システム導入推進

前述した取り組みの中で紹介させて頂いた規程管理プラットフォームSecureNaviCarely の他にも、以下のようなサービス導入を進めさせて頂きました。

ラクロー

労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインにおける勤務時間の客観的記録を、リモートワーク環境でいかに取得するかという問題に対して導入を進めました。すごく良くできたサービスだと思うのですが、従来の勤怠管理システムと違ってしっかりと記録をつけない(毎回ログオフやシャットダウンしない)人がそのまま申告すると得をする世界観になってしまうのが難しいなぁというところですね。。。

そもそも全ての従業員においてPCの起動時間 = 勤怠時間というわけでもないので、どういう形が望ましいかは引き続き検討していく必要がありますが、実際にPCの起動時間 = 勤怠時間となる私のような人間だと打刻という作業から解放されるので、うまく活用していきたいサービスですね。

YESOD

従来スプレッドシートで管理していた組織図の管理を、従業員の増加に伴ってYESOD上に移行させて頂きました。

YESODはバイテンポラルデータモデルを採用しているようで、内部統制上記録して欲しい履歴情報を綺麗に残してくれます。この領域に対する採用データモデルとしては理想的なものだと思いますし、今後の機能拡張が楽しみなサービスです。

一方で、ラクスルのジョーシスMoneyFoward IT管理クラウドなど、周辺領域に対して様々な競合サービスが発表された1年でもありますので、引き続きウォッチが必要なところかなと思っています。(SmartHRも組織図機能をリリースされましたね)

YESODは採用データモデルの関係上、利用する側のシステムリテラシーも求められるサービスとなっているので、上記サービスと比較してフィットする会社としない会社がありそうですね。

リモートHQ

従来、リモートワーク環境の整備支援という名目で定額のリモートワーク手当を支給させて頂いておりましたが、以下のような課題を感じておりました。

  1. 金銭を定額支給する運用としているため、税法上は給与扱い(課税対象)となっており25%程度が税金として消えている(会社負担分の法定福利費も15%程発生している)
  2. 手当のうち環境構築部分の用途については完全に従業員任せになってしまっており、上手く活用できていない可能性がある
  3. 手当は毎月定額支給としているが、什器等はいいものを買うと初期投資が大きくなってしまう

これからの課題をうまく解決する仕組みとして、リモートHQの導入を推進させて頂きました。まだ運用を開始したばかりではありますが、従来総務や情シスがまとめて行っていた従業員の業務環境整備を個別最適化していく上で非常に良いサービスだと感じております。

こうして振り返ってみると、2ヶ月に1回ぐらいのペースで何か新しいサービス導入をおこなっていますね・・・w

今年1年の個人の取り組みについて簡単に触れてきましたが、目標にも上げていたメンバーマネジメントの部分に関しては引き続き課題の残る1年になったかなぁと感じております。まだまだ経験が浅い中、書籍を読みながら日々試行錯誤を繰り返していますが、やはりメンバーの力を引き出しきれていないかなぁと感じる日々です。 実現したい世界観は一人では到底到達し得ないですし、いかにメンバーと価値観を共有し全速力で走っていけるか引き続き模索していきたいと思っています。

家庭について

まず一番のイベントとして、家を購入しました! 正直、引っ越し先を検討し始めた当初は家を買うなんてことは全然考えていなくて、まだまだ賃貸暮らしかなと思っていたのですが、どういう生活をしたいかとか優先順位を絞っていく中で、賃貸がほぼ無いエリアで住むことを意思決定したので、自動的に買わざるを得なくなりましたw

当初は今年の10月頃に引っ越しをする予定だったのですが、コロナを背景としたウッドショックの影響もあり、2022/1下旬の引っ越しとなりました。そのため、この年末年始が終わったら引っ越しでドタバタし続けることになると思います・・・w

また現在娘が1歳半を迎えている段階ですが、本当に子供の成長は早いですね。 ガンガン歩くわ、言葉も話し始めるわ、物を散らかしまくるわ、どんどん手間はかかるようになってきていますが、この学習能力を見てると人間って本当に凄いなと。私も負けてられないですね。

ちなみに来年もう一つの命が誕生するかもしれません、乞うご期待。

2022年の展望

ここまでは振り返りでしたが、ここからは2022年の展望を。

2021年は前述した通り、個人としての仕事は人事労務領域を中心に仕組み化を進めた1年となりましたが、IT領域に対しては思ったより時間を使えなかった1年になったとも思っています。引き続き自分自身の課題となっているメンバーマネジメントに関して、新たなメンバーを迎え入れることも既に確定しているので、しっかりと向き合い改善することで、組織としての出力を上げていけるよう意識していければと考えています。

その他、引っ越しや家族が増えるといったビッグイベントも控えていますが、今の働く環境やスキルに慢心せず引き続き難しいチャレンジに取り組んでいければと考えております。

2022年もよろしくお願いします!